①水濡れ
さて今回の記事はあまり知られていない接着剤の天敵について話していこうと思います。接着剤がいろいろなCMで流れており、欠点なく使用できると思われていますが、ちゃんと天敵がいます。
まず一つ目が水濡れです。
接着剤は水によって急激に接着性が低下する傾向があります。特に温水にはかなり弱いです。
汎用で売られている多くの接着剤も温水の前ではぺろりとはがれてしまします。そのため接着剤メーカーにおいては風呂場の接着剤は本当に性能がよいものしか使えないようにしています。
つり道具で使えると売り出し始めた瞬間接着剤も温水の前では無力です。(ちなみに瞬間接着剤で指がくっついた時には時間がある場合は温水でゆっくりはがずとケガすることなくはがすことができます)
また水に強い接着剤はブログで紹介しようと思いますが、水、特に温水は接着剤に天敵であるとこと覚えておいてほしいです。
②温度変化
二つ目が温度変化です。これは「使い方」「硬化後の物性」の二つの意味で天敵です。
まず「使い方」です。前回のブログでまずはこれを守ってほしい3つのこと(貼り付け可能時間、固定方法、接着面積)を上げましたが、この用途に温度条件がかかわることを知ってほしいです。
基本接着剤は室内で使用することが多いためにあまり気にしたことがないかもしれませんが、接着剤は温度によって硬化速度が変わってきます。私が初心者に一番におススメする瞬間接着剤は特に湿気の影響も大きいです。
これは瞬間接着剤が湿気で固まる反応硬化タイプの接着剤であるために夏場の雨の日に使用するとメーカーでのカタログ値よりも数倍早い時間で固まります
これは多くの試験条件が日本の平均気温と平均湿度を基準とした環境で測定した時間であるためです。
またこれは逆に冬場は寒いうえに硬化に必要な湿気が少ないためにカタログ値よりも数倍以上の固定時間が必要になります。
このように温度要因は接着剤のように液体から固体に変化する「生物」のように温度で挙動が異なることを知ってもらいたいです。
次に「硬化後の物性」についてです。接着剤がはがれる要因は水要因の次にあげられるのが、経年による熱伸縮による要因です。
接着剤で張り合わせた際に部材同士が異なっていたり、接着剤の硬化物との性能が異なっていることがよくあると思います。
これが環境変化によって冬場から夏場まで0度~60度まで変化すると、接着剤に負担がかかり、はがれの要因につながっていきます。もちろんこれは使う接着剤で防ぐことができるために温度環境が激しい用途で使用する場合にはこれらの負担に耐えうる設計をした弾性タイプの接着剤が望ましくなります。
③衝撃
3つ目は衝撃です。こいつも突発的な剥がれを引き起こす大きな要因です。
実は接着剤のカタログには接着力が記載されていることは多くあるもののこの衝撃強さについては言及したものは少ない印象受けます。
接着力はゆっくりかかる荷重と急激にかかる荷重を両方考える必要があるものの基本的なカタログはゆっくりかかる荷重のみ値になっています。初心者はこの高い接着力の接着剤を選ぶことが多いかもしれませんが、硬い接着剤はガラスにように割れやすさも秘めていることも覚えてほしいです。
そのために特にこれは瞬間接着剤がもっとも皆さんが経験していると思いますが、しっかりくっついていたと思ったのにぶつけたらはがれたの話はこの接着剤の弱点から起きやすい現象となります。
では、どうすればいいのかということですが、すべての用途に向いた接着剤は存在しないことを頭に入れていただき、常に用途に合った接着剤を選ぶことが重要になってきます。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。接着剤は世の中に多くあるものの説明書がすごく足りないなあと日々感じています。しっかりとした用途で使ってもらえれば本当に長い期間使ってもらえるので(接着剤の耐久性はまたブログで書こうと思います)、まずは接着剤の天敵や向いている用途を知ってもらえればと思います。
それではまた次の記事で!
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