変成シリコーン接着剤の使い方⇒可使時間内に適度な厚みで塗布しよう&養生時間(固定時間)は7日間とろう。
さて、ここの記事ではそれぞれの接着剤の使い方を解説したものとなります。
次は接着剤多用途で必ず商品ラインナップにあがる「変成シリコーン接着剤」についてです。この接着剤は瞬間接着剤では上手くいかなかったために購入する方が一番多いと考えています。
この接着剤の特徴はゴムのような「弾性」を有している点です。汎用の瞬間接着剤にはない特長であり、これはガラス(下の写真)を思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。
ガラスは強度があるものの衝撃に弱く簡単に破損してしまいます。それに対してゴムは衝撃を分散させることで壊れることが少ないです。この性能差によって変成シリコーン接着剤は瞬間接着剤よりも長い期間で使用していただける可能性が高いです。
それで肝心の使い方は、「適度な厚みで可使時間内に張り合わせる」「養生時間(固定時間)を7日間とる」を守るだけです。変成シリコーン接着剤は瞬間接着剤みたいに極端に薄く広げる必要はありません。弾性接着剤であるためにある程度の厚みばらつきもよい方向に働きやすいです。
あとは何度もお伝えしますが、「養生時間(固定時間)を7日間とる」を徹底してください。一液の接着剤では瞬間接着剤を除いてしっかりと硬化するまでの時間が必要となることは忘れないようにお願いいたします。
変成シリコーン接着剤の選び方⇒白色接着剤がおすす
次は変成シリコーン接着剤の選び方です。各社メーカーで樹脂の中身も異なっているうえにカタログ値も一長一短であるために初心者が選ぶのは難しいです。
接着する部材、例えばPVC樹脂×ABS樹脂だと調べてカタログ値から選ぶ手法も一つの方法ではあります(ただし、実際はPVC樹脂に含まれる可塑剤の量でも接着性が異なるためにカタログ値通りの値とはいえない側面もあります)。
じゃあ正解はないのかというと。接着剤の色に透明や黒色と指定がないのであれば、
「白色接着剤」を選ぶが私なりの一つの回答になります。
この理由は耐候性です。太陽の光には樹脂成分の劣化につながる因子が含まれています。これは室内でのLEDライトでも同様です。この光は当然ながら透明な接着剤は透過しやすく樹脂劣化を早めるし、黒色の接着剤は光を集めやすくこちらも樹脂劣化につながります。
そのためこれらの因子が少ない「白色接着剤」が耐候性の面で優位に立つためにお勧めいたします。
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セメダイン 超多用途 弾性接着剤 スーパーX 135ml クリア AX-041 価格:1,220円 |
専門雑学:シリル化ウレタン接着剤、変成シリコーン接着剤の違い
最後はいつものごとく専門雑学です。興味のない方はこちらは飛ばしてください。
「弾性接着剤」「多用途」と検索すると「シリル化ウレタン樹脂」の接着剤がでてきます。さてこれは「ウレタン接着剤」なのか、それとも「変成シリコーン接着剤」なのか頭を悩ませると思います。
これはシーリング材のJISでは別枠で取り扱っているものの、私の認識では「変成シリコーン接着剤」と考えてもらって問題ありません。
要は樹脂の骨格が異なるものとなります。基本的な変成シリコーン樹脂の多くはポリオキシプロピレン骨格を主骨格にして末端にシリル基を導入したものになっています。
それに対して「シリル化ウレタン樹脂」は主骨格をポリウレタン樹脂にして末端にシリル基を導入したものが「シリル化ウレタン樹脂」となります。
詳しくは各社メーカーさんの特許をみると記載されてたりします。意外と知られていませんが、特許はだれでも無料で検索できるのでぜひ興味のある方は調べてみてください。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ 特許プラットホーム
価格:591円 |
さいごに
接着剤マスターの道の二回目の記事になります。専門的なことも交えながら初心者にも面白く読んでもらえる内容伝えていきます。これからもぜひよろしくお願いいたします。
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