変成シリコーン/エポキシ接着剤の性能⇒1液、2液では2液の方が優秀
さて、前回までで大枠の接着剤紹介は終わったために今回からはよりニッチな接着剤分野を紹介していこうと思います。
今回は変成シリコーン/エポキシ接着剤についてです。各社メーカーによってエポキシ/変成シリコーンの言い回しだったりしますね。
この接着剤は言葉の通り、今まで紹介した「エポキシ接着剤」と「変成シリコーン接着剤」を混合した接着剤となります。
しかし、こちらの接着剤は「1液タイプ」「2液タイプ」の2種類が存在しております。
さて実際にこの接着剤の性能を比べてみるとどうなんでしょうか?せっかく同じセメダイン㈱さんで販売している製品をそれぞれ見つけたので比べてみたいと思います。両製品とも電子カタログをダウンロードして比較できるものを比較してみました。
こちらが比較した結果です!(比較対象はJIS K 6833 引張りせん断試験)
2液接着剤の方が1液と比べて全ての部材で5倍程度の接着性能を示しています!
1N/mm2(=1MPa)は1cm×1cmの幅で張り合わせると約10kgのものを持ちあがられるために決して性能が低い訳ではありません。2液変成シリコーン/エポキシ接着剤はずば抜けて優れた性能を有しているということです。
ただし、前に紹介した2液エポキシ接着剤や2液アクリル接着剤の方が接着性能の接着強度が高いことが知られております。しかし、2液変成シリコーン/エポキシ接着剤はこれだけの接着性能に加えて弾性体であるために硬い接着剤と柔らかい接着剤で紹介したように耐久性にも優れ、衝撃にも強い接着剤となります。
バニラアイス(変成シリコーン接着剤)に苺アイス(エポキシ接着剤)を載せることで両方の良さを引き出したパフェのような素晴らしい接着剤といえますね。!
変成シリコーン/エポキシ接着剤(2液)の特徴⇒接着が難しい部材への接着性能良好!
この2液変成シリコーン/エポキシ接着剤の特徴には接着が難しい部材への接着性能が良好なことが知られております。接着剤が部材につく原理は「物理的作用」「化学的作用(水素結合)」「分子間力」の三つが主要素として知られております。
接着剤の接着性能が発現しにくい部材にはこれらの相互作用が生じにくい部材となります。
この辺りは他の記事でもまとめてみようと思います。これらの部材、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)といったエンジニアリング・プラスチックに対して2液変成シリコーン/エポキシ接着剤は特殊な処理をすることなく接着することが知られております。
https://www.cemedine.co.jp/special/industry/ep001k/index.html セメダイン㈱様HP
そのためにも工業用途として広く使われております。今回紹介した接着剤はこの工業の技術を応用したものを家庭用に販売しているものであるために接着剤で特殊な材料を付ける際には検討してみるとよいと思いますね
さいごに
さて接着剤マスターへの道はもう前回記事で終わりにしようかなあと思ったのですが、書きたい記事があったために更新してしまいました(笑)。ブログはもっと文章書きたい気持ちはあるものの読む側が短い方が読みやすいと思ってこれぐらいにしております。なにか意見を頂けると書く意欲につながっていきますのでなんでもご気軽にご質問下さい。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!それではまた次の記事で。
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