ねじゆるみ用接着剤は酸素が遮断されることで硬化します!
さて、今回は雑学記事の「ネジ緩み用接着剤」についてです。
この接着剤はネジ緩みを防ぐ用途に使用することが推奨されております。特にネジを使用する場所では振動や大きな荷重を負担するために少しずつネジが緩んでしまい、大きな事故につながる可能性が考えられます。
この接着剤は高い接着性能を示しており、これらを緩みを防ぐことで耐久性能(疲労特性)を改善させることが証明されております。
さて、この製品を調べたり、使ったことのあるユーザーは気になると思います。あれこの接着剤はどのように硬化するの?
これまでに一般的な1液の接着剤として2種類のタイプを紹介してきました。
一つ目は「瞬間接着剤」や「変成シリコーン接着剤」のような湿気で硬化する接着剤
二つ目は「木工用接着剤(水系接着剤)」「溶剤系接着剤」のように水や溶剤が飛ぶことで硬化する接着剤
これらを紹介してきました。しかし、この接着剤はネジ溝の密封空間で硬化するためにどちらの接着剤でも硬化が難しいことがわかると思います。
じゃあ、ネジ緩み用接着剤の正体気になりますよね!
実はこの接着剤の中身は「アクリル接着剤」となります。
これまでアクリル接着剤は日常タイプの2液タイプを紹介したのですが、アクリル接着剤は特殊な条件で使用する際には1液で硬化するように設計することができます。
それは「密封」かつ「塗装されてない金属面同士」の二つの条件です。
これはアクリル接着剤は「ラジカル」という電子の不安定状態をつくる必要があります。通常は2液の接着剤を混ぜることでこの「ラジカル」を発生させるのに対して、
このネジ緩み用接着剤は金属に触れるころで発生するように設計します。しかし、このラジカルが空気中の酸素に吸収されて不活性になることも知られているために密封空間で酸素を遮断する必要があります。
つまりこのようなネジ緩み用途に絞ることでこの1液アクリル接着剤「嫌気接着剤」が活躍できるものとなります!
注意点は塗装したボルトではほとんど使えません。また指定の金属以外の樹脂製ボルトや接合させる部材が木材等でも使えないために使用する条件はしっかりと守るようにお願いいたします。
さいごに
今回はアクリル接着剤の1液嫌気接着剤の紹介となります。正直接着剤マスターの道では紹介しきれなかった接着剤が多数あるためにこれからもこのような記事を増やしていきたいと思います。
気になることや感想は書いていただけると執筆者のやる気につながっていきます(笑)。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!それではまた次の記事で。
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