接着強さはどう判断する?引張、せん断、割裂、はく離の四要素

接着剤の使い方や注意点

接着剤カタログの接着強さの見方 引張り、せん断、割裂、はく離の違い

さて、今回は「接着強さ」について掘り下げていきます。

そもそも接着剤を使われる際にかかる力は常に一つ方向からかかっているでしょうか?

例えば、箪笥等の家具に木栓(ダボ)とともに使われる木工用接着剤もその箪笥の構造を支える方向への力から、使用時に引張方向でかかる振動、温度や湿度による木材の伸縮などなど日々様々な力がかかっていることが考えられます。

これらを一つでまとめて考えるのは接着力を正確に評価できないと思います。

そのためにJIS(日本工業規格)ではおもに4つの力を定義しています。

「引張強さ」「せん断強さ」「割裂強さ」「はく離強さ」

となります。図で書くとこんな感じです!

こうしてみると、様々な用途で使用してもらっている接着剤にはいろんな力がかかっているために評価が必要なことがわかりますね。

さてこれまで私が接着強さという定義で様々な接着剤を比べてきましたが、このニュアンスは基本的には「引張強さ」もしくは「せん断強さ」を意味していることがほとんでです。

なぜなら下に挙げた「割裂強さ」と「はく離強さ」はみていただくとわかるように端部の一部に力が集中する評価であるために接着強さは低い結果となります。もちろんこれは接着剤のみならず鉄鋼部材やコンクリート、木材でも同様なことがいえます。

どんなに優れた材料でも応力が集中してしまうと簡単に壊れてしまうために多くの建築に携わる方はこれらの応力集中がどのように設計すれば起きにくいのか、また応力集中する場所にはどのように補強するのかを考えています。

さて当然接着剤でもこの考えは応用でき、接着剤を使ってもらう分には応力集中がおきる「割裂」「はく離」がかかるような設計をするのではなく「引張り」「せん断」の方向に力がかかるように使ってもらうと接着剤を長く使っていただくことができます。

しかし、どうしても「割裂」「はく離」方向に力がかかる用途で接着剤を使いたい場合には「硬い接着剤VS柔らかい接着剤」で紹介したように全体で力を受け流すような柔らかい弾性接着剤を使うことをお勧めしておきます。

さいごに

今回は接着剤の力の加わり方の記事になります。すべての部材に精通していますが、どんなに優れた部材でも応力集中は苦手です。比較的に弾性接着剤は応力集中は緩和できるものの使い方を見直すことがもっとも長く接着剤が使えるコツだと思っています。

気になることや感想は書いていただけると執筆者のやる気につながっていきます!

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!それではまた次の記事で。

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