コンクリートはどう接着しているの?コンクリートの接着性能

接着剤の雑学

コンクリートの接着について

さて、今回は「コンクリートの接着性能」について掘り下げていきます。

コンクリートの中に張っているセメントは接着剤にも含まれる成分であるために広義な意味ではコンクリートも接着剤ということができると思います。

また左官屋さんはマンションのタイルを貼り付けるのも「貼り付けモルタル」というコンクリートの親戚を用いていることも知られていますね。ちなみのコンクリートとモルタルの違いは砂利を含んているかになります。

ここからはなぜコンクリートが接着するのかを化学的に解説していきます。まずコンクリートが固まるにはセメントが大きくかかわってきます。コンクリートの中身は下記のようにあらわされます。

コンクリート=セメント+砂+砂利+水

これからわかるように接着にかかわるのはセメントと水だけです。ではセメントの中身を皆さんは知っていますか?ちなみに私は接着剤を詳しくなるまでは全く知りませんでした。

実はセメントの化学式(主成分)を書くとこのようになります。

CaO・SiO2

つまりセメントの主成分は酸化カルシウムとシリカの混合物=ケイ酸カルシウムとなります。(ただしセグメントのような大型コンクリートにはアルミナが含んでいるもの存在しております)

さてこのセメント:ケイ酸カルシウムが水と反応して硬化して接着性能を発現するのですが、ここまで書くと化学に詳しい人は答えがわかっているかもしれませんね。

答えは下記のようになります。

3CaO・SiO2 + H2O = Ca(OH)2 + 2CaO・SiO2ーH2O

つまり、セメントはケイ酸カルシウムが水酸化カルシウムに変化する反応を用いて無機原子(カルシウムやシリカ等)が同士が接着する反応となります。よくコンクリートがアルカリ性(塩基性)を示すのはこの水和反応で生じる水酸化カルシウムが要因となります。

さてこの辺りは私がこれまで紹介した有機物である接着剤とはかなり異なる反応系だったと思います。一番最初に書かせてもらったセメント入れている接着剤があるとお伝えしたのは「接着剤の有機物による接着効果」「セメントのような無機物による接着効果」が共存することができるためです。

実際に有機物には分子構造の耐熱性能の限界が存在しております。そのような高温環境で使用する際にはこのようなハイブリット接着剤は大きな優位性を有しているものといえますね。

ちなみにコンクリートは決して万能ではなく、コンクリート同士の接着は無機物同士の相互作用で接着するものの、左官屋さんが使うセラミックス部材であるタイルには全く接着しません。

じゃあマンションのタイルはどのように接着しているかというと接着原理の記事で紹介したように、物理的な接着(錨のアンカー効果)でくっついています。そのためマンションのタイルは下の図でしめすデコボコなあり足構造をとっており、これがないと全くつかないものとなりますの。

このようにコンクリートでの接着といっても様々な方法で接着しているのをぜひ知ってもらいたいです。

さいごに

今回は無機材料のセメントの接着作用についてです。セメントは新しいコンクリートには付着するものの古いコンクリートにつかない上に他への部材への接着性能はかなり悪いです。このような性質であったために有機系の外装タイル用接着剤が広くつながった理由になると思いますね。

気になることや感想は書いていただけると執筆者のやる気につながっていきます!

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!それではまた次の記事で。

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